ロシアがウクライナに侵攻して以来、2年が経過した。依然として終わりの見えない戦いが続き、両国の犠牲者は日を追うごとに増えている。ロシアからのミサイル攻撃も受けるウクライナでは気を休めることができず、危険と背中合わせに暮らさなければならない▼戦争が始まってしまうと、簡単に終わらせることは難しい。仮に終戦となったとしても、壊れ果ててしまったまちの復興や相手国への賠償問題などが待っている。そうした期間を考えると気が遠くなる話だ。現に太平洋戦争が終わって79年になるが、長年にわたって原爆の後遺症に苦しむ人もいるし、隣国の韓国とはいわゆる徴用工問題などでしこりが残っている。だから戦争を事前に避けることが何よりも重要。国家のリーダーは戦争を始めないあらゆる手段の抑止力を使う必要がある▼日本は外国から好意的に受け止められている。アウンコンサルティング株式会社(本社・東京)が昨年、世界12カ国で実施した日本に対する意識調査によると、「日本を大好き」「日本を好き」を合わせると大半の国が90%を超えた。最も低かった韓国でも59・4%となった。今まで日本が国際社会に貢献したことなどが大きな理由なのだろう▼今、日本に訪れている外国人たちは多い。その人たちにもてなしの心を伝えることでも日本に対する好感度は上がる。そして、日本を好きな外国人が増えれば増えるほど「日本とだけは絶対に戦争はしたくない」という心が生まれるかもしれない。ただ、ウクライナの場合は1人の独裁者の判断で戦争が始まった。そんなきれいごとだけですべてが解決できないことは重々承知しているのだが…。(雄)