オンライン説明会で意気込みを示す豊田社長

 串本町の小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」で9日にロケット初号機の打ち上げを予定しているスペースワン株式会社は1日、報道向けの説明会を開いた。これまで4度の延期を乗り越えての挑戦で、成功すれば国内民間企業で初のロケット打ち上げ。豊田正和代表取締役社長は「今後もハイピッチで打ち上げし、宇宙産業発展に貢献したい」と意気込みを語った。

 今回、打ち上げるロケットは「カイロス」。内閣衛星情報センターの小型衛星を搭載している。当初、2021年度中に発射を予定していたが、コロナや世界情勢の影響で部品がそろわず、打ち上げを計4度延期してきたが、同社によると、日本の技術力の高さもあって会社を設立してから6年弱での打ち上げは決して遅くないと説明した。すでに民間、海外からの受注で3号機までの発射を計画。1カ所の発射場では世界最高頻度となる年20回の打ち上げを目指し、2030年代には年30回を目標にしている。

 豊田社長は「宇宙事業はこれまで官が主導してきたが、民が主導するきっかけにし、『宇宙宅配便』の産業を興したい。打ち上げに向けては岸本知事や地元の皆さんからの応援で元気づけられた。必ずミッションを成功させる」と話した。

 当日のロケット打ち上げは天候などに問題がなければ午前11時から正午ごろを予定しており、発射から約50分後に小型衛星を切り離す。