みなべ出身の桂紗綾アナ㊧とトークを披露する春蝶さん

 南部公民館主催の文化講演会が12日開かれ、落語家の三代目桂春蝶(しゅんちょう)さんが、小説や史実などさまざまなテーマを落語にして伝える活動について話をした。

 春蝶さんは、「落語で伝えたい想い」という活動を各地で展開しており、みなべ町では初の講演。落語の前には春蝶さんがその活動をするにいたった経緯を、みなべ町出身で朝日放送テレビアナウンサーの桂紗綾さんがインタビューし、2人のやりとりが場を和ませた。

 春蝶さんは、「以前から命について考える落語をやってみたかった」と話し、桂枝雀さんや上岡龍太郎さんらと親交があった父の2代目桂春蝶さんとのエピソードを交えながら、「命について考える種を少年期にまいてもらったと思う」とその原点を振り返った。

 この日披露したエルトゥールル号遭難事件をモチーフとした創作落語については、「(日本人がトルコ人を助けたという)いいことを、自分からしましたとは言いにくい。過去の日本人のことを、落語を通して知ってもらうことで、若い人たちのいい一歩を後押しできるのかなと思っています」とその思いを語った。

 インタビューの後、春蝶さんは高座に上がり落語を披露。日本とトルコの友好秘話を軽妙な語り口で紹介した。