漂着したクジラを確認する市職員

 御坊市塩屋町北塩屋の海岸で3日夕方、体長約5㍍のクジラとみられる生き物の死骸が漂着しているのが見つかった。

 釣りに来ていた河南中の生徒が、日高港北側にある通称「北浜」の海岸に打ち揚げられているのを発見。前日には地元釣り人らが同港湾内でイルカかクジラのような大きな生き物が泳ぐ姿を目撃しており、同じ個体が死亡し、流れ着いたとみられている。

 4日朝には連絡を受けた市や県の職員が確認。日高振興局農業水産振興課の職員によると、オス、メスの性別は分からないが、顔つきが「赤ん坊」のように見える特徴からついた和名「アカボウクジラ」の一種である可能性が高い。太平洋、インド洋などに広く分布するクジラで、紀伊水道の海域に入ってくるのは珍しく、体が弱って迷い込んだのではないかという。大阪湾では昨年1月、マッコウクジラが淀川河口付近に迷い込み、「淀ちゃん」と名づけられ話題となった。

 捕獲が制限されているクジラであっても、死骸となって海岸に漂着した場合は一般廃棄物として取り扱われることになっており、今後、市が海岸に穴を掘って埋めるなどして処分し、県を通じて水産庁に届け出る。