27日にオープンした南部梅林を取材した。今年は開花が1週間から10日ほど早く、昨年のオープン時にはちらほらとしか花開いていなかったそうだが、今年はすでに見頃を迎え、地元を中心の多くの人でにぎわっていた。園内には約8万本の梅が植えられ、特に観梅用の木は鮮やかなピンクの花をたくさんつけ、甘い香りを漂わせていた。オープンは2月中に終わってしまう可能性もあり、梅の里観梅協会は「今年は日程も時間も早めに来て」と呼びかけている。

 ご存じの方も多いと思うが、梅の花の終わりを表す言葉は「こぼれる」という。これは梅の木の背が低く、目の高さからぽろぽろとこぼれ落ちていくからそのような表現になった。一方で、桜は「散る」、椿は「落ちる」、菊は「舞う」という。こう考えると日本語はとても豊かで複雑である。

 ほかにも同じようなもので数え方が違うものはたくさんある。例えば船だと、貨物船やタンカーなどの大型船は「隻(せき)」、ボートなどの中型・小型船は「艘(そう)」ヨットや競技用のボートの小型船は「艇(てい)」という。お箸は同じものなのに、時によって数え方が変わる。箸単体を数えるときは「1本、2本」だが、食事の際に使う一人分を指すときは「一膳」に変わる。コンビニやスーパーなどで割り箸つけますかと尋ねられるときは、使用していない箸になるので「本」「膳」のどちらでも構わない。さらに食事で使わない調理用や取り分け用の箸は「膳」ではなく「組」で数える。菜箸や取り箸などがそれにあたる。

 などなど、ほかのものの数え方を挙げればきりがない。日本語は世界の中でも有数に難しいとされているが、日本人ですら分からないこともあるので、そりゃ当然なのかもしれない。(鞘)