孫などをかたり言葉巧みにお金をだまし取る「オレオレ詐欺」という言葉が使われ出したのが2003年頃とのことで、もう20年以上経つが、今でも各請求詐欺や還付金詐欺などさまざまな新たな手口で、同じような被害者が出ている。本紙でも時折、被害に遭ったことや、また被害を食い止めたことなどを報じた記事が出ている。

 そんな中、少し前だがネットで新たな手口を見かけた。それはSNSなどで「お金を配ります」という投稿に応募した人「A」が当選し、主催者に口座を提示する。2万円もらえるはずが200万円振り込まれ、その後、配布者から「振込金額を間違えた。10万円は手数料で、残り190万円を手渡しで返してほしい」とのこと。言う通り、190万円を返金した後、Aが逮捕されたという。Aの口座は振り込め詐欺などの振込先とされ、犯人グループの資金洗浄として使われたという。結果、詐欺グループは10万円減ったものの足のつかないお金を手にし、Aは受け子のような役割をさせられたとのことだ。

 「お金あげます」は元ZOZO前澤氏で話題になったが、悪用する手口も多い。当選の知らせとともに別のサイトへ案内して商品を買わせたり、当選金を受け取るために手数料が必要として逆に入金させたり、またフォロワーを増やしてアカウントを転売する方法もあるという。

 前述の方法は想定できたり途中で怪しむ余地があったりするが、Aのように実際振り込みがあれば信じてしまう可能性もあるだろう。「うまい話には裏がある」というが、悪いことをする人は一般的な人が思いもよらない「裏」を考えてくる。自身で安全かどうかを判断することはせず、「うまい話」には乗らないことが得策だ。(城)