M―1グランプリの決勝戦が24日に放送された。結成15年以内の漫才コンビが日本で一番面白い漫才師の称号を懸けてたたかう。今年は史上最多の8540組がエントリーし、今年8月からし烈な予選が繰り広げられてきた。優勝を手にしたのは、東京の若手コンビ令和ロマン。テンポの良いボケとツッコミで爆笑を誘い、結成わずか5年で頂点に立った。

 漫才の本場は関西というイメージがあるが(ここが関西だからということもある)、近年のM―1決勝進出コンビは関東勢が多くなっている。今年も決勝に進出した10組のうち、関東で活動するコンビが7組、関西のコンビは3組しかいなかった。小さい頃から関西のお笑いに親しんできた者としては、関西勢3組(さや香、カベポスター、マユリカ)に大会上位を独占してほしかったが、関東勢のコンビのネタの発想やかけあいも面白く、活動場所や出身は関係ないなと思わされた。

 優勝した令和ロマンのことを調べると、2人とも慶應大学出身とのこと。今年の高校野球で慶應高校が優勝したが、ここでも慶應の関係者が活躍した。やはり学のある人は何をしても結果を残すんだなと、社会の現実について勝手に考えさせられてしまった。だが、優勝者がどんなバックグラウンドを持っていようと、この時のために努力を積み重ねてきたことは変わりない。

 個人的にはさや香に期待していたが、決勝の最終ラウンドで披露したネタは優勝を獲りに行くというよりは、自分たちがやりたいネタを披露しているように感じ、大舞台を楽しんでいるように見えた。

 自分らしさを崩さず挑み続ける姿勢もまた素晴らしく、今年もM―1からいろいろなことを学ばせてもらった。(鞘)