2024年度から6年間を期間とする県第4次がん対策推進計画の策定委員会が15日、和歌山市で開かれ、がんによる75歳未満の死亡率抑制の数値目標などを示した計画案が承認された。今後、修正案を作成、県民からの意見を募り、来年3月までの策定、公表を目指す。

 和歌山県は1979年以降、現在もがんが死亡原因の1位となっており、2021年度は1年間に亡くなった人の25・5%にあたる3297人ががんで亡くなっている。

 県はこれまで予防、早期発見、医療の充実などを重点とする計画に沿って、各種事業・施策を進めてきた結果、高齢化の影響を除いた75歳未満年齢調整死亡率(人口10万人当たり)が下がり、21年度は68・6。全国平均の67・4とほぼ同じレベルまで低下し、15年度から6年間の減少率14・6%は全国(13・6%)を上回っている。

 24年度からの新しい計画では75歳未満年齢調整死亡率をさらに引き下げ、27年度には21年度比15%減の58・3を目標に設定。全国に比べて低いがん検診受診率の向上に向け、民間企業や各種団体と連携した事業者への普及啓発に力を入れるほか、生活習慣の改善、ワクチン接種の推進、一層のがん医療の質の向上と均てん化を進める。

 会議では患者会代表委員から全国平均より低い乳がん検診の受診率に関して、「マンモグラフィ検査が痛い、恥ずかしいといった話が広まっているのも要因だと思うが、検査自体は簡単なこと。検診を受けずに発見が遅れては大変。県や市町村はいま以上に、正しい情報の発信に取り組んでもらいたい」との要望があった。