門梅を手に平田さん

 梅の木の剪定(せんてい)で切り取られる細長い枝(ズバイ)を有効活用しようと、みなべ町筋の平田宏美さん(49)ら2人の女性デザイナーでつくるユニットkumanono..(クマノノ)がズバイを使った門松「門梅(かどうめ)」を考案し、各地で制作ワークショップを開いている。平田さんは「門梅がみなべならではの正月飾りとして広まってもらえれば」と話している。

 梅の剪定枝で緑色に細長く伸びる枝は「ズバイ」と呼ばれ、従来処分されていたが、梅生産地のみなべ町や印南町では近年、生け花など正月の飾り用として需要が高まっている。

 門梅は2016年、クマノノが梅林に展示する梅の剪定枝を使ったオブジェを作ったことをきっかけに考案された。17年からはホテル&リゾーツ和歌山みなべの玄関、18年からは同町西本庄の須賀神社の本殿前にも飾られており、意匠登録も出願している。ズバイを何十本かに束ね、束ねた部分に水引や稲、松、南天などをあしらい、梅への感謝の気持ちと繁栄を願う。水に生けておけば枝のつぼみから花が咲くこともあり、数年間は観賞用で楽しめる。

 ワークショップは須賀神社で開いており、依頼があれば出張で開催する。今月15日は高城地区の梅農家が開催を依頼し、自宅に約20人を集めて開かれた。参加者が持ち帰りやすいよう約70㌢の門梅を制作。約1時間の作業で完成した。

 平田さんは「門梅づくりを通して見慣れたものの新しい見方ができるなど、生活に楽しみが生まれるお手伝いができれば」と話す。
 門梅制作ワークショップの問い合わせは平田さん℡090―9160―0128まで。