森口さんの畑で千両がきれいに色づく

 印南町の真妻地区で、正月用として出荷される千両が鮮やかに色づき、収穫作業が始まった。

 「真妻の千両」は、実と葉の色の濃さと茎の細さが特長で、「繊細で美しいコントラスト」と市場から高評価。今年は病害虫の影響も少なく、夏場の猛暑のため生育は1週間から10日程度遅れているが、実の色づきは順調だという。

 刈り取られた千両は選別して20本ずつに束ね、包装紙に包んで箱詰めにして出荷。収穫から出荷までは水に漬けて鮮度を保つ。

 30年以上前から千両を栽培しているJA紀州みなべいなみ花き部会千両部長の森口詠士さん(69)=印南町皆瀬川=の畑でも、遮光ネットで囲われた千両の実がきれいな赤に染まった。26日から収穫する予定で、森口さんは「千両は縁起物。皆さんにたくさん買ってもらい、来年がいい年になってほしいですね」と話していた。

 同部会の千両農家は15軒。昨年は約6万6000本を出荷し、約1100万円も販売した。近年は後継者不足が課題となっているという。