由良町人権尊重推進委員会の人権講演会が18日、町中央公民館で開かれ、メイクアップアーティストで浄土宗の僧侶、LGBTQ活動家の西村宏堂さんが「メイクアップアーティストとして、LGBTQとして、僧侶として、『多様性』を考える」と題して講演した。
西村さんは幼少期からワンピースを着たり女の子向けのアニメが好きだったが、周りに打ち明けられず、高校時代にマイケル・ジャクソンが人種は関係ないとうたっているのを知り、渡米を決めた。
米国では友人が自分のメイクで自信を持ってくれたことをきっかけに、メイクの道に進み、ミス・ユニバースのメイクを担当するようになった。
日本に戻ってからは実家の寺を継ぐため、毛嫌いしていた仏教の修行に励むことになった。仏教の戒律に同性愛や着飾ることを禁じられていたことに悩む中、尊敬する僧侶が「人はみな平等に救われるのが教え。着飾ってもいい、価値観は変わっていくもの」と教えてくれたといい、「その時、さまざまな価値観はアップデートされていくべきと知り、仏教が自分の悩んでいることを解決してくれた」と話した。