児童らに陸上の楽しさを指導する山縣さん

 日高川町の笠松小学校で18日、陸上100㍍日本記録保持者山縣亮太さん(31)=広島県出身=の講演会が開かれ、児童や地域住民ら約80人が参加した。

 山縣さんは2016年のリオデジャネイロ五輪400㍍リレーで銀メダルを獲得。21年の東京五輪にも出場し、日本選手団の主将も務めた。21年6月、鳥取市で開かれた大会の100㍍決勝で9秒95の日本記録を出した。

 講演会は今年度で統合のために閉校する同校のラストイヤーイベントとして開催。テーマは「9秒95! 日本記録樹立までの道のり~チーム山縣の挑戦~」で、大阪経済大学の九鬼靖太准教授との対談形式で行われた。山縣さんは生い立ちや日本記録に到達した過程などを説明し、「中学校や高校時代は勝ち負けよりも自分自身の成長を考え、自己ベストを出すための練習を積んだ。大学時代も昨日の自分より速く走るために何ができるかを普段から意識した。けがをしてもこれまでの練習に自信を持ち、けがが治れば今までのように走れると信じて乗り越えてきた」などと話した。

 子どもたちには「今年度で笠松小学校が閉校になるのは悲しいことですが、少人数で協力し合った経験をたくさん積んできたからこそ今がある。さらに経験を積み、立派な大人になって日本を引っ張ってください」と語りかけた。

 講演終了後、美山ドームで陸上教室が開かれ、児童のほか、幼児、中学生、地域住民らが参加。ストレッチやスキップなどに取り組み、最後に山縣さんと一緒に走り、陸上の楽しさを学んだ。