社会福祉法人太陽福祉会(皆川敏治理事長)が、日高町志賀地内に新しい生活介護事業所「インクルひだか」の整備を進めている。同福祉会として初めてとなる機械入浴設備、理学・作業療法士によるリハビリを導入した施設で、重度の障害のある人の安全で快適な生活をサポートする新たな拠点。来年3月中に完成させ、4月からの供用を目指している。
太陽福祉会では障害者の就労の場である生活介護事業所を美浜町の太陽作業所、日高川町の川辺作業所の2カ所で運営しているが、美浜の作業所は開設から40年経過。利用者も高齢化しており、年を重ねるごとに障害も重度化する傾向が増えている。加えて作業所の定員を超える利用者数が続いており、施設が手狭になったことや、近い将来、南海トラフ地震も懸念されることから、より安全な施設の建設を2015年から計画。場所の確保など課題をクリアし、ようやく日高町志賀、日高中学校前の県道沿いに開設できることになった。
インクルは、障害がある人もない人も違いを認め合い、共生社会を目指すというインクルージョンから名づけた。施設は敷地面積1249平方㍍に木造平屋建て、総床面積484平方㍍。現在は基礎工事を行っており、12月13日ごろに上棟式、来年3月中の完成を目指している。
障害支援区分5~6の重度利用者が対象で、定員20人。和田の作業所と同じく軽作業を行うほか、新たに入浴とリハビリを取り入れる。現在は利用者が帰宅してから自宅で入浴しているが、インクルでは機械入浴が可能で、入浴してから帰宅することで家族の負担も軽減される。理学療法士、作業療法士も初めて配置し、本格的なリハビリができる。このほか地域交流室を設け、地元の住民たちとの交流も積極的に行っていく。施設完成後は災害時の福祉避難所としても活用してもらう考え。
総事業費は1億7357万円で、国・県の補助は6000万円。設計・監理は御坊市の株式会社スタジオパートスリー、施工は湯浅町の中平建設株式会社。
同福祉会では「念願かなってようやく開設できます。利用者がより安全で快適に生活できるようにしていきたい。地域との交流も深めていきたい」と話している。
理学療法士や作業療法士、看護師も募集している。