多くの住民らが集まり盛り上がったフィナーレの餅まき

 由良町網代の由良ドック株式会社(神原三千夫代表)は19日、構内で創業50周年記念祭を行った。同社は1973年4月に三井造船株式会社由良工場として操業開始して以来、町を象徴する企業として地域に根付き、全長300㍍級のタンカーはSNSの映えスポットの一つともなっている。記念祭では会社関係者、地域住民ら約600人が参加し、ライブや餅まきで盛り上がった。

 記念祭では神原代表が「50年の間にはバブル崩壊などがありましたが、乗り越えてこの日を迎えられたのは多くの皆さまや諸先輩方のおかげ」と感謝し、「さらに気力、体力を充実させて次の100年に向けて邁進していきたい」と抱負を述べた。来賓の山名実町長は自身が過去に構内で仕事していた経験があることなどを振り返り、「由良町に根付き、地域経済に貢献していただいています。今後ますますの発展を」と期待を寄せた。

 午前中は会社関係者や家族向けに行い、午後からの一般開放には多くの地域住民が参加。ライブでは由良出身のシンガーソングライター藪下将人さんが登場し、「がんばれ故郷」などの曲を参加者と一緒にうたって盛り上がり、フィナーレの餅まきはステージややぐらなど3カ所から一斉にまかれ、歓声が響いていた。

 73年の三井造船株式会社由良工場創業以来、88年に一部の製造・工作部門が分離して株式会社由良三井造船が設立され、99年に社名を株式会社エム・イー・エス由良に変更。2015年には三井造船株式会社と川崎重工業株式会社との合弁会社となり、社名をMES―KHI由良ドック株式会社に変更。21年に三井E&S造船株式会社の子会社MES由良ドック株式会社、22年10月から常石グループ傘下となり、今年1月から現在の社名になった。船舶修理や鉄鋼構造物製作、水中点検(RTV)調査を主な業務とし、LNG船や一般商船、フェリー、官公庁船、特殊船などさまざまな船種を扱っている。