4日朝、御坊署から送検される小早川容疑者

 日高川町が発注した工事の入札をめぐる官製談合事件で、入札情報を漏らした見返りに現金20万円を受け取ったとして、御坊署と県警捜査二課等は2日、同町元副町長で三佐の小早川幸信容疑者(66)=官製談合防止法違反罪などで起訴=を加重収賄で、落札業者の駒場工務店元代表取締役で高津尾の駒場一仁容疑者(60)=公契約関係競売入札妨害罪で起訴=を贈賄の疑いで再逮捕した。警察は2人の認否を明らかにしていない。

 調べによると、小早川容疑者は昨年5月19日に実施予定だった中津小学校体育館屋根改修工事の指名競争入札で、同7日に非公表だった最低制限価格(落札額の下限)の算定基礎となる「基準額」を駒場容疑者に教え、謝礼として役場副町長室で20万円を受け取った疑い。駒場容疑者は賄賂を渡した疑いが持たれている。

 この入札は、あらためて翌月に行われ、同社が落札。小早川容疑者が駒場容疑者に基準額を漏らしたとして、2人は官製談合防止法違反や公契約関係競売入札妨害で逮捕・起訴され、県警が捜査を進めていた。

 また、和歌山地検は2日、2020年11月6日に行われた丹生中学校屋上防水改修工事の入札に関し、先月2人が逮捕された事件について、小早川被告を官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害に加えて加重収賄の罪、駒場被告を公契約関係競売入札妨害に加えて贈賄の罪で起訴。起訴状によると、小早川被告は基準額を漏らした見返りに現金20万円を受け取ったとしている。両被告の起訴はそれぞれ2回目。工事は4件になった。

 加重収賄は収賄行為に加え、公務員の職務に違反する不正行為が行われた場合、重い刑事罰を科すもの。