御坊市の日高川河川敷を舞台に、関西シクロクロスの開幕戦が行われた。初心者から熟練者まで各カテゴリーに569人が参加し、熱戦を展開した。オフロードを走る自転車レースで、関西シクロクロスは30年ほどの歴史がある。県内では紀の川の河川敷がコースになっていたが、利用できなくなって新たなコースを探していたところ、日高川の河川敷が候補に挙がり、昨年の実証実験で好評。今年は昨年から1割増しの参加人数となった。

 シリーズ戦は毎回数百人規模の参加が見込める大会。主催は京都府向日市の一般社団法人京都車連で、会場の草刈りからコース設定、当日の運営など、全て車連が行う。御坊市では地元産品販売やキッチンカーの手配などで盛り上げたが、基本的に会場を提供するだけで車連が全てやってくれるので、これほど準備に手間がかからないイベントはない。しかも県外からの参加が多く、レース前日にはコースの試走ができるため、御坊や周辺町で宿泊する参加者がおり、外貨獲得にも一役。何よりも、せっかく広い面積がある日高川河川敷を有効活用できるのがいい。今年6月の大雨で河川敷が浸水したが、そんな状況でもシクロクロスは開催可能。逆に堆積した土砂がいい具合にコースの難度を上げていたし、野球の利用ができない藤井グラウンドも、駐車場として利用できた。

 シクロクロスには全日本選手権や世界大会もあるようで、今後も日高川河川敷でさまざまなレースが行われれば、一層の経済効果やにぎわい創出にもつながる。和歌山はサイクリング王国。自転車を使うという点ではシクロクロスも同じであり、一層の盛り上がりに期待したい。(吉)