
火災や救急の119番通報を受信、出動隊の管制を行う通信指令事務について、田辺市と白浜、上富田、すさみ町で構成する協議会に、日高広域消防事務組合と古座川、串本町が加わり、2026年4月の共同運用開始に向けた来月からの協議開始へ20日、田辺市消防本部で協議書の調印式が行われた。
田辺市、白浜、上富田、すさみ町の田辺西牟婁地区消防通信指令事務協議会に、日高広域消防事務組合と古座川、串本町が加わって規約の一部を変更。協議会名を和歌山南広域消防通信指令事務協議会に改める。
現在の通信指令事務は田辺市、白浜、上富田、すさみ町の常備消防機関として、田辺市と白浜町の両消防本部が共同運用。日高広域消防と串本町の両消防本部が参入、運用方法や機器導入について協議する。共同運用開始後は1市11町の119番通報の受信、通信指令事務を共同で管理。日高郡からの119番通報も、田辺市消防本部の通信指令センターにつながり、日高広域消防に指令が出される。
調印式には日高広域消防事務組合管理者の松本秀司日高町町長ら関係市町の首長らが出席。概要説明の後、協議書に署名し、代表で真砂充敏田辺市長が「救急出動件数の増加傾向に加え、各自治体の消防力を超える災害が増えるなか、住民の安心と安全を確保するためには、隣接する消防機関のさらなる広域的な相互応援態勢の連携強化を図ることが重要で、通信指令事務の共同運用はその第一歩となる」とあいさつした。
共同運用によってシステムの機器更新に係る経費軽減、指令室の配置人員の効率化、指令管制を統合することによる大規模災害時の相互応援体制が強化される見込み。松本管理者は「経費削減はさることながら、災害情報の一元化による迅速で的確な災害対応と、大規模災害時の消防本部間の相互応援態勢のさらなる強化を図り、住民の安心・安全に万全を期す体制が構築されると確信している」と話している。