今年は4年ぶりに各地で祭りのにぎわいが戻っています。10月のテーマは「祭り」です。

 「和歌山県内のまつり見聞記」(石塚眞著、いなもと印刷)

 本書は自費出版で、本社宛に送られたもの。茨城県土浦市出身の著者は小学校教諭を勤めながら歴史関係の著書を執筆、ライフワークとして熊野古道を歩き、和歌山県内の祭りにも興味を持って見学し、本書を著しました。御坊祭も非常に詳しく書かれます。

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 かつては、若中を呼び集めるのは子供たちで、提燈を持ち、太鼓をたたきながら、「オイヤン今晩出ておくれ、出やな屋台で押し込むぞ」と囃子ながら地下(じげ)を回った。(略)
 四ツ太鼓の囃子は、
 ヨーイヤッサ
 担ぎ上げる時と喧嘩になりそうな気勢を鎮める時、
 ヨンヨイ
 地面に降ろしてから差し手が気勢を上げる時、
 ヨイヨイ・サアヨーイセーコラセ・ソラヤートコセー ヨーイヤナ ソリャハリバイヨー コレバイヨー ソーラヨーイトセー
 四ツ太鼓を揺する場合、ソラヤートコセーでまず軽く揺らされ(小波)、ヨーイヤナは少々揺れを弱くし、ソリャハリバイヨー コレバイヨーのところで大きく揺らす(大波)。