コロナ禍も落ち着きつつある中、各地のイベントや秋祭り、行政の事業などが再開され始めた。御坊市社会福祉協議会では今年4月、福祉センター1階に多世代交流と情報発信を目的にした「TUNAGARU(つながる)カフェ」をオープン。センターの利用者らの憩いの場となり、セルフサービスの飲み物代として募金も行っている。9月27日からは一般の提供者から善意で募った物品を販売するTUNAGARUマーケットもカフェ内に開設。売上金を市内園児のクリスマス用プレゼントなどに活用する。

 そんな社協がさらに今月1日から、寄付金つき商品事業を展開、TUNAGARU協賛店として広く企業、商店に参画を呼びかけている。参画した企業や商店側は寄付金つき商品を企画、販売し、商品の売り上げの一部を社会福祉協議会に寄付。社協側は住民参加型「家事援助サービス」花まるごぼう派遣事業など地域福祉事業に活用し、地域住民に還元するという取り組み。

 ポイントは参画した企業や商店側が、商品の売り上げのうちのどの程度を寄付するか、独自に設定できること。寄付の割合を高く設定すれば経営を圧迫することになり長続きしないことも心配されるため、無理しない程度の割合がいいと思う。仮に割合が低かったとしても、この事業に参画し、福祉向上に寄与しようという思いこそが大切。参画対象は食料、サービス、製造業など幅広く、工夫次第でどんな業種でも参画できるだろう。

 キーワードは「つながる」。地域住民や企業、関係団体の中でいい福祉の循環ができ、これまで以上に地域一丸となった福祉のまちづくりに期待したい。(吉)