古都のメーテルを描いた大作

 京都市、西陣織国際美術館の製織20周年記念全国巡回展「松本零士さん『ありがとう!』展」が御坊市民文化会館でスタート。9日まで開いている。

 今年2月に85歳で他界した人気漫画家の松本零士さんを追悼して開催、代表作「銀河鉄道999」をテーマとした西陣織を展示。ヒロインのメーテルを描いた掛け軸「メーテル古都の休日」は縦3・5㍍、横1・4㍍で、メーテルが「銀河鉄道を途中下車して密やかに京の休日を楽しんだ」という設定。松本さんが清水寺や五山送り火の大文字等を入れてデザインし、西陣職人が縦糸5400本、横糸6万本で1年かかって織り上げた。そのほか夜空のような藍色にメーテルと銀河鉄道を描きライトで照らすと星が浮かび上がって見える帯、メーテルと主人公の鉄郎の楽しそうな姿などもあり、みなべ町から訪れた50代の女性は「子どもの時に『999』を毎週見ていたので、ぜひ見たいと思って来ました。古都のメーテル、銀河のメーテル、どれも素晴らしいです。星空が浮かび上がるのには感動しました」と話していた。

 今年のNHK大河にちなんだ家康、来年の大河にちなんだ源氏物語をテーマとした作品、以前にも展示した伊藤若冲の絵、弥勒菩薩像、平山郁夫の作品、瀬戸内寂聴さんの仏画など多彩に約60点を展示している。来場者には絵葉書のプレゼントもある。展示時間は午前10時から午後5時まで(最終日は午後4時まで)。