今月初めの2日間限定で、美浜町三尾のアメリカ村食堂すてぶすとんで、京都外国語大学グローバル観光学科の2年生が、NPO法人日ノ岬・アメリカ村、イタリアンレストラン「L,Albero」と連携してのラーメン店「麺と向かって『みお』」がオープンした。2日間それぞれ一日50食の限定販売で両日ともオープン即完売の大盛況。初日に取材し、2日目にオープン1時間前から並んでおいしくいただいた。地域と一体となって観光のまちづくりに取り組む必修科目。ラーメンをきっかけに魅力をPRし、まちを元気にしようと、情報を発信し、周辺施設を紹介していた。

 話は変わるが、過疎化に悩む県外の地方自治体で、地域外の住民に有償で「電子住民票」を発行し、地域づくりに参加できる権利や特典を付与する取り組みが行われているそうだ。県内のニュースでは見聞きしない話。調べると、自治体にとって「ファンクラブ」のような仕組みで、外部の人にまちへの興味を持ってもらい、「関係人口」の増加で交流の拡大や将来の移住につなげる狙いがある。

 人口減少のなか、自治体間による移住者の誘致合戦は、地方創生の主要施策になっているが、本物の住民票の奪い合いは、ふるさと納税と同じように、国全体でみれば勝者はいない。一方、「デジタル住民」ら関係人口は観光で訪れる「交流人口」と移住者らの「定住人口」の間に位置する層。奪って得はあっても奪われて損はなく、地域活性化のキーパーソンとして期待できる。もちろんデジタル住民票を発行すれば関係人口が増えるわけではないし、ファンはやがて離れていってしまうかもしれない。発信だけでなく、交流人口、関係人口、定住人口いずれの層ともつながりを深める必要がある。(笑)