由良町で2日、駅とまちづくりなどを考えるシンポジウムが開かれ、住民ら100人がパネルディスカッションなどを見守った。パネリストにはJR西日本関係者や町関係者、町家庭教育支援チームの支援員、そして現役の高校生2人が参加し、それぞれ意見を述べ合った。その中で町の関係者から駅前にカフェや産品販売所、勉強や読書ができるコワーキングスペースを兼ね備えたコミュティ施設の構想が飛び出し、駅の活性化に向けた取り組みが現実を帯びてきた。

 あくまでまだ構想段階なので、今後、住民を交えた検討会などを立ち上げて進めていくとしているが、周辺の店なども減って寂しくなってきている駅が新たな活性化の拠点になることができるのか、注目される。

 そんな駅だが、筆者はここ20年ほぼ利用しておらず、基本は車移動。地方在住者にとっては駅がよほど近くにない限り利用する頻度はかなり低くなっているのではないだろうか。そのため「駅は町の顔」と言われてもピンと来ないが、パネリストの高校生の話を聞いているうちに自身の高校生時代を思い出した。大阪の友達を由良町に招いたとき、電車を降りた瞬間「何にもないな~」と言っていたことが印象的。今となっては何もない駅も好きだが、当時は少し恥ずかしさを感じた。そういう意味では高校生にとって駅が町の顔と言えるだろう。

 駅への施設の整備はこれから動き出すところで、駅が活性化すれば観光客アップにも期待できる。それとともに普段使っている高校生らが町の顔として自慢できるような駅になれば、町を誇りに思う気持ちが強くなるかもしれない。人口流出防止への可能性も秘めた駅の活性化。今後の動きを注目したい。(城)