この仕事を始めてしばらく経ち、日高地方のいろんなところへ行かせてもらっている。各地の道路もほとんどが2車線、または幅が大きくとられていて、対向車を気にすることなく快適に走れている。到着時間を気にすることなく進むことができるのでありがたいなと思う。
先日、みなべ町へ取材に向かう際、県道田辺印南線を走った。この道は部分的に整備されてはいるが、所々で狭い道が残るいわゆる〝険道〟だ。印南町の樮川地域からみなべ町の熊瀬川地域へ抜ける道を通ったが、道路の幅は1~1・5車線幅くらいで、杉林の中、見通しの悪いカーブを進んでいく。
細い山道を慎重に進むも「まさかこんな所では車と遭遇しないだろう」と侮っていたら、前方から立派なワンボックスカーがやって来た。「うわっ」と急いでブレーキを踏み、バックして幅の広い所へ退避。接触することなく何とかすれ違うことができたが、バックするにも暗くて周りが見えづらかった。
ワンボックスカーのナンバープレートをよくよく見ると、大阪のなにわナンバーだった。おそらく観光客だろう。この道を熊瀬川地区に抜けると鶴の湯温泉があり、御坊方面へ行くにはこの道が近道なので、ナビの言う通りに進んできたのかもしれない。ドライバーもさぞかしびっくりしたことだろう。
この道に関しては、両町の町長・議員らからも改良の早期事業化の要望がされている。要望を受けた岸本周平知事は「地元の気持ちを受け止め、まず絵を描くところから始めたい」と事業化に向けて準備する考えを示している。近い将来、快適に走れる道になっていればいいなと願う。(鞘)