夏休みもそろそろ終わり。今年の盆期間、新幹線・特急を利用した人は全国でおよそ935万5000人で、昨年に比べて1・4倍の増加だった。


 ネットでは新幹線の座席にまつわるある投稿が話題となっている。投稿主は鉄道旅が趣味の大学生。のぞみ号のグリーン車を予約し東京から新大阪まで乗車した。グリーン車を選んだ理由は「座席がゆったりとしていて快適な移動ができるから」。自分のお金で事前にグリーン車の座席を購入し乗車しているので何ら問題はない。だが、新横浜を発車した直後、高齢の男性が大学生に向かって「席を譲れ」と言ってきたという。以下やりとりはこのような感じ。


 大学生「自分はこの席で間違いないので。切符を見せていただいてよろしいですか」高齢男性(自由席きっぷを出す)大学生「ここは指定席の車両です。自由席の車両は前の方ですよ」高齢男性「そんなん知らねぇよ、席譲れ!」


まったく理不尽な話だ。詰め寄られた原因について大学生は「自分が周りの乗客に比べて若く、一番後ろの列で出入り口に近かったからなのでは」と分析しているが、若くても乗車のルールをきちんと守っているので、とやかく言われる筋合いはない。ネットでは「グリーン車と優先席を勘違いしているのでは」「自由席をどこの席に座ってもいい自由な席と間違った認識をしている」の指摘がある。


 その高齢男性は頭のどこかで〝高齢者は優遇されるべき特権がある〟という考えがあったのだろう。その考えが当たり前になるなら、せっかく取り決めたルールも無意味になるし、秩序もなくなる。高齢者だからとか、若者だからとか立場は関係なく、その場ではそこのルールを守っている人が正しいのだ。(鞘)