和歌山駅までの普通電車もサイクルトレインで利用可能に (21日、箕島駅で)

 JRきのくに線御坊―新宮駅間で導入されている自転車を追加料金不要で電車内に持ち込めるサービス「サイクルトレイン」で、JR西日本和歌山支社は21日から、御坊―和歌山駅間の実証実験をスタートさせた。完全予約制・台数限定の「サイクルトレインプラス」として、年内いっぱいまでサービスを実施。安全性の確保に問題が無ければ、早期に実用化を目指したいとしている。

 サイクルトレインは利用者数が落ち込むきのくに線の活性化や県のサイクリング観光の促進を目指し、2021年9月に初めて新宮―紀伊田辺駅間で導入された。昨年4月には御坊駅まで区間が延長され、観光客だけでなく地元の乗客からも好評となっている。利用者は年々増加しており、昨年度は1万人を超える利用があった。利用者アンケートでは「和歌山駅まで区間を延伸してほしい」という要望が多数寄せられており、今回御坊―和歌山駅間の区間拡大に取り組んでいくこととなった。

 御坊―和歌山間は通勤・通学で利用する乗客も多いことから、利用できる電車を限定。1列車につき持ち込める自転車を3台とし、完全予約制をとる。予約方法は公式ウェブサイトから予約ページへアクセスし、提示された運行予定の電車を選んで必要事項を入力。当日までに予約完了メールが届くので、乗車の際はスマートフォンでメール画面を提示して乗り込めばよい。

 実証実験がスタートした21日は和歌山―箕島まで試乗が行われ、地元のサイクリスト3人が乗車した。参加者からは「和歌山駅からでもホームに乗車位置の案内が貼ってあるのでスムーズに乗車できた」「観光も効率よく回れ、交通機関の待ち時間がなくなり時間短縮にもなるので、便利になると思った」などの声が聞かれた。和歌山駅から御坊方面の電車は約30分に1本で、和歌山市内から気軽にきのくに沿線の観光スポットを自転車で回れることが期待される。

 JR西日本和歌山支社の松田彰久副支社長は「県外からの観光客だけでなく、和歌山市内から自転車で出かけてみようかなという人が増え、休日の過ごし方が広がれば」と話している。

 利用可能電車は、御坊行きは平日・土曜が午前9時ごろから午後3時ごろまでの各12本、日曜・祝日が午前6時ごろから午後2時ごろまでの17本、和歌山行きは平日が午前8時ごろから午後2時ごろまでの12本、土曜が午後5時ごろから10時ごろまでの10本、日曜・祝日が午後3時ごろから10時ごろまでの13本となっている。詳しくは公式ホームページ(https://www.jr-odekake.net/railroad/kuroshio/cycletrain/)へ。