優勝を決め歓喜の輪に笑顔で加わる玉置選手

 第105回全国高校野球選手権記念和歌山大会は28日、紀三井寺公園野球場で決勝が行われ、市和歌山が延長11回タイブレークで和歌山北にサヨナラ勝ちし、7年ぶり6回目の優勝を決めた。市和歌山では玉置大翔選手(2年、南部中卒、和歌山御坊ボーイズ/ジュニアタイガースOB)が8番左翼で先発出場し、甲子園切符獲得に貢献した。

 決勝では2回の第1打席で中前へはじき返して出塁。4回には無死二塁からきっちりと犠打を決め、同点打を呼び込んだ。途中交代してからも、ベンチやランナーコーチで大きな声を出して仲間を鼓舞し続け、劇的なサヨナラを後押しした。

 今大会は1回戦から全試合に出場し、8打数3安打3打点の大活躍。とくに準決勝の和歌山南陵戦では、左翼ポールネット直撃の先制2ラン、犠飛と3得点すべてをたたき出し、勝利の立役者となった。

 小学6年から高校1年までは内野手だったが、昨年の夏の大会以降、レギュラー争いがし烈な内野から外野への転向を自ら志願。フライを捕るのもおぼつかなかったが、毎日の朝練、守備と夕方の練習後も居残りして努力を重ね、持ち味の打撃も磨いた。春の大会はベンチ外だったが、夏の大会でレギュラーを獲得。努力でつかんだ甲子園切符となった。

 決勝を振り返り、「最後はキャプテンが決めてくれると信じていました」と笑顔いっぱい。自身のプレーで印象に残ったのは「南陵戦のホームランよりも、その試合の6回の守備で飛び込んで捕球できたのが一番うれしかった」。夢舞台には「ホームランよりチームのためにつなぐ打撃をしたい。2年生ですが、3年生を引っ張れるくらいの活躍をしたい」と胸を膨らませた。

 好勝負を演じた和歌山北では川口恭功選手(2年、御坊中卒、和歌山日高ボーイズ/マリナーズ)が7番三塁で先発フル出場し、攻守に躍動した。