週刊連載四半世紀以上、壮大なラストに向けてカウントダウンが始まっている世界的大人気漫画の最新巻をご紹介します。

 物語 新世界で最後の島「ラフテル」を目指して航海を続けるルフィ達麦わらの一味一行。女海賊ジュエリー・ボニーを助け、天才科学者ドクター・ベガパンクの分身に従って未来島「エッグヘッド」に上陸する。

 考古学者ニコ・ロビン達は分身の一人「正(シャカ)」から、ロビンの故郷である学者の島オハラの最期にまつわる衝撃的な事実を聴く。

「オハラの意志は生きている」

 オハラが政府に滅ぼされたのは、「空白の100年」に存在したある王国の存在を知ったからだという。海軍のバスターコールで壊滅したオハラだったが、ロビンの恩師クローバー博士、母のニコ・オルビア達の決死の行動で世界政府が隠す人類の真の歴史に関するおびただしい文献が湖の底に隠されていた。その後、文献は巨人族に引き揚げられ、ベガパンクは密かに巨人族の島エルバフに通ってすべてに目を通し、脳内に記憶したという。母と恩師である博士や巨人族のサウロを思い出し、涙するロビン。

 一方、ルフィ達はベガパンク本人と出会っていた。未来島のシステムや900年前につくられたロボット兵を目の当たりにして興奮するルフィ達。知ってはならない事実を知ったベガパンクは世界政府から命を狙われており、「島から連れ出してくれ」とルフィに頼む。しかしすでに、政府の刺客でありルフィ達のかつての敵CP9、昇格してCP0となった3人が島に入っていた…。

 各巻そうですが、とにかく中身が濃い、情報量が凄い! とりあえず私にとってこの巻の一番のポイントは、最初に収録されている第1066話「オハラの意志」でした。

 彼等の長い航海の中でキャラクター達の名言は多々ありますが、特に私の心に残っていたものの一つが41巻「宣戦布告」中、ロビンの母・オルビアの言葉。

「あなた達の生きる未来を! 私達が諦めるわけにはいかないっ!」

 涙をあふれさせながら笑顔でロビンにこう言って、オルビアと学者達は戦火の中、命をかけて人類の記録を守るのです。

 屈指の名場面の一つですが、この場面の意義がここへ来て明らかになります。

 この巻最大のポイントはなんといっても、これまで何度となく名前だけ出ていたベガパンクの登場。後半にはロブ・ルッチやカクとの共闘もあり、そしてウソップも憧れる戦士たちの島エルバフが…。

 ラストへのカウントダウンが始まっている今、物語の根源的な部分にかかわる秘密が次々に明かされ始めており、ワクワクが止まりません。このところ離れている人達には、今戻って、怒涛のラストスパートをリアルタイムで体感してはどうでしょうと提言したいです。(里)