今年5月19日にWHOが発表した23年版世界保健統計によると、人口が最も多い国は中国で14億2589万人、2位はインドで14億756万人。中国は減少、インドは増加しており、今年中にはインドが世界最多になるそうだ。インドと言えばヒンドゥー教やヨガ、カレーがすぐ思いつく。近年は急速に経済発展も遂げており、勢いのある国だと感じる。
また、世界屈指の映画大国でもあり、昨年3月に公開された「RRR(アールアールアール)」は世界的に大ヒット。劇中では超高速のキレッキレのダンスが披露され、その時に流れていた「ナートゥ・ナートゥ」がゴールデングローブ賞の主題歌賞やアカデミー賞の歌曲賞を受賞。日本ではインド映画の中で興行収入が過去最高を記録した。
そんな話題の映画がDⅤD化されたので観賞。1920年代、英国植民地時代のインドを舞台にした熱い男たちの友情と使命が描かれた作品。インド人の命を何とも思わない英国人やコイン数枚で少女が買われその母親が木で殴打される場面、銃撃戦のシーンなど、インド側から見た植民地時代の苦悩や我慢、怒りがリアルに描かれている半面、2人の主人公のインド人が現実離れしたアクションで敵をなぎ倒す。戦争の悲惨さ、おぞましさをリアルに伝える描写と、2人のマンガ顔負けの身体能力にいい意味でのギャップがあり、アベンジャーズ系の実写ヒーロー映画とはまた違う、痛快さを感じた。
とはいうものの、国際情勢が怪しい中、日本にとって、大国のインドとどう向き合うべきなのか。映画を観た興奮のあともあらためて冷静に考えなければならないと思った。 (吉)