今回紹介するのはファンタジーライトノベルの「六花の勇者」。ライトノベル自体はあまり読むことはないが、好きなジャンルをネットで検索する中で見つかり、面白そうなので手にとってみた。作者はライトノベル作家の山形石雄で、イラストは宮城。「このライトノベルがすごい!」作品部門では2013年版で3位、2014年版で8位を獲得した。2015年7月から9月まではテレビ放送もされている。

 ストーリーは、1000年前、世界を破滅に追いやった「魔神」と呼ばれる存在が、一輪の花を武器とした聖者によって封じられた。一輪の花の聖者は「いつか魔神は蘇るが、そのとき自分の力を受け継いだ6人の勇者が現れて魔神を封じるだろう」と予言を残した。その予言通り過去2度に渡って魔神が目覚めたが、運命の神に選ばれた6人の勇者により復活は阻止された。

 そして今、3度目の魔神復活を前に、勇者たちが集結するのだが、体に六花の紋章が浮かび上がった勇者はなぜか、7人存在した。さらに勇者たちを狙う敵を妨害するための霧幻結界を悪用され、7人全員が森に閉じ込められてしまう。7人の中の誰かが敵であることに気付いた勇者たちは、互いに疑心暗鬼に陥る。

 勇者の1人、地上最強を自称する少年アドレットは、密室状態だった結界を起動する仕掛けに唯一触れられたことから、最有力の容疑者となってしまう。本来は仲間であるはずの6人から追われながら、アドレットは7人目の策略の解明に挑む。

 ファンタジー作品でありながらミステリー要素があり、7人の勇者から偽物を探すという人狼的なストーリーに引かれました。襲いかかる敵と戦いながらも、いつ裏切るかわからない7人目を常に警戒しなければいけないという緊張感ある展開。「7人目は誰だろう」と考えながらも、ファンタジー要素もしっかり楽しみながら読み進めることができました。(城)

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