第1区最優秀賞を受賞した中川さんとゆずき号

 県内の最も優れた熊野牛の母牛を選ぶ品評会「県種牛共進会」が17日、田辺市秋津町の県熊野牛子牛市場で開かれ、生後12カ月以上17カ月未満の若雌を対象とした第1区で、日高川町千津川の中川裕行さんが育てた「ゆずき」号が最優秀賞(公益社団法人全国和牛登録協会会長賞)を受賞した。

 紀南、紀北の和牛改良組合共催による品評会で、新型コロナの影響で2年ぶりの開催。今年は第1区と、17カ月以上から1度の出産までを対象とした第2区にそれぞれ7頭が出品され、体の各部の発育具合や体型の美しさ、被毛の質など総合的に審査された。中川さんのゆずき号は、月齢に応じた発育の良さや雌牛らしさ、外観から見てとれる繁殖能力など総合的な質の良さが評価された。

 中川さんが営む中川農園は、種付け、出産を経て生後8~10カ月ごろまで育てる繁殖農家で、現在母牛を40頭、子牛を20頭ほど飼育。牛が伸び伸びとストレスなく過ごす環境をつくり、良質な乾草をふんだんに与えるなどこだわりを持って生産しており、3年前もゆずき号の叔母にあたるきよみ号で第2区の最優秀賞を受賞している。

 中川さんは受賞に際し「とてもうれしいです。ゆずき号はおとなしく、とても扱いやすい母牛。きっと元気でいい肉質の牛を生んでくれます。これからもいい牛をつくって熊野牛の改良に貢献できれば」と話していた。