みなべ町議会議員定数等検討特別委員会は16日、今定例会での定数2削減案の議員発議について見送ることを申し合わせ、17日の定例会最終日は委員長が中間報告をするにとどまった。

 今月9日の委員会では定数14から2削減して12とする案が賛成7人、反対6人の僅差で承認され、天野仁委員長が条例改正案を提出することを決めていたが、16日の委員会では天野委員長から「自分の本意ではない(削減に賛成ではない)なか、流れで私が削減の条例改正の発議をしなければ仕方ないと思ったが、やはり矛盾を感じる。削減賛成派の中から発議していただきたい」と申し入れがあった。

 委員からは「長い時間をかけて決したことを覆すことは到底許すことができない」「委員会の決定は重く、守るべき」との意見があった半面、「委員長が発議する義務はない」「自分の意思に反する決議があってはならず、合理性があれば再考の余地はある」などの声があった。また、「委員長が発議せざるを得ないような強要があった」との発言に対しては、別の委員が「最終的には議長と相談した委員長が自ら判断して発議すると言った。強要ではない」との反論があった。

 話し合いが平行線をたどったため、下村勤副委員長から「このままでは結論が出ない。5月定例会に発議を持ち越してはどうか」との提案があり、今後委員会を開いて再び協議していくこととなった。

 削減の条例改正案が提出されれば、本会議では委員会の場で削減に賛成した原田覚議長を除く13人で採決することになるが、賛否が拮抗しているため、天野委員長が削減に反対すれば改正案は賛成6人、反対7人で否決。委員会の結論との逆転現象が起きる可能性がある。また、削減の発議をした議員が反対に回ることはルール上可能だが、道義的に疑問視する声もある。有権者からは「大切なことだが、議会はいったい何をしているのか」とあきれる声も聞かれている。

 今議会最終日の17日は3議案を原案通り可決、閉会した。