開幕中のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が盛り上がりを見せている。各国から20チームが出場。日本は1次予選を4戦全勝し、15日から始まる決勝ラウンドの進出を決めた▼日本と対戦した中で、注目を集めたのが、初出場のチェコ共和国。予選で元メジャーリーガーらを擁するスペインを破り、本戦の出場権を獲得。ほとんどの選手が国内のアマチュアリーグでプレーし、消防士、地理学の高校教師らもメンバー入り。パベル・ハディム監督も神経科医として野球以外の仕事をしているという▼日本はそのチェコと対戦し、10―2で大勝。しかし、チェコの選手たちは劣勢に追い込まれていたにもかかわらず全力でプレーし、佐々木朗希投手から死球を受けた選手も「一塁へ走り出した時にみんなが拍手してくれてうれしかった」と日本人に感謝。試合後もベンチ前に出て、日本チームに拍手を送り、勝利をたたえた。ツイッターでは「本当のスポーツマンシップを見た」「チェコの選手たちがカッコよかった」などの声が相次いだ▼こういうことがあれば、チェコに対して特別な感情を抱く。「今度は何らかの形でお返ししたい」「この人たちと友好関係を続けたい」と思うのが当たり前。ちょっと飛躍した考えかもしれないが、「こんないい人たちがいる国と戦争をするのはまっぴらごめん」という考えになるかもしれない▼日本を訪れる外国人が増え、日高地方でも外国人を見かけることは珍しくなくなった。「情けは人の為ならず」ということわざもあるが、日本の自然や歴史などを紹介するだけでなく、真心のこもったおもてなしが他国との交流を深めることにつながる。(雄)