先日、第26回日高新報杯少年サッカー大会を無事開催することができた。ここ数年は新型コロナの感染防止に気を取られていたが、今年はそれほど気にならなかったのは、アフターコロナに移行しつつある世間の風潮の表れだろう。6年生をはじめ高学年の選手たちは、低学年のころからコロナの影響で練習を制限されるなどの規制をたくさん受けてきた年代。困難を乗り越え、やり通しただけでも誇れることだ。選手一人ひとりに拍手を送りたいし、見守り続けてくれた指導者、保護者への感謝の気持ちも忘れないでほしい。

 6年生主体のAクラスを制したのはブレイズ湯浅。美浜町や御坊市の選手が多いFCダンシーマと前評判は2強。決勝を前に準決勝で対戦することになり、事実上の決勝戦はまさに一進一退の攻防。後半終了間際に同点に追いついた湯浅がPKを制した。両チームの選手は低学年のころからよく練習試合などを重ね、切磋琢磨してきた間柄という。優勝監督のコメントがよかった。「ダンシーマとどちらが勝ってもおかしくないいい試合ができた。6年間ともに戦ってきた成果」と相手チームをたたえていたのがほほえましかった。素晴らしい試合内容に勝敗以上の価値を得られたのではないだろうか。

 中学生になると、田辺市や海南市のクラブチームでより高みを目指す選手が年々増えている。紀北地方では海外での挑戦を見据えたクラブチームも新たに発足するなど、選択肢が増えているのはいいこと。もちろん、日高地方のクラブチームも以前のように選手がたくさん加入するようになってほしいと願うのは筆者だけではないだろう。御坊日高で新しい風が吹くのを気長に待ちたい。(片)