みなべ町議会議員定数等検討特別委員会が9日開かれ、現行の定数14から2減らし、12とする削減案が、賛成7人、反対6人の僅差で承認された。17日の本会議最終日に条例改正案が提出され、可決される見通し。日高地方では御坊市議会(定数14)が昨年12月、2削減案を否決したが、以前から削減の話がある印南町議会(12)や先月の選挙で欠員1の無投票となった由良町議会(10)などでも今後、議論が本格化していきそうだ。

 みなべ町議会では昨年9月、議員定数等検討特別委員会を設置し、協議を重ねてきた。この日の委員会の採決は天野仁委員長を除く13人で行われ、削減案には下村勤、丸山幸雄、玉井伸幸、宮﨑繁幸、谷本吉弘、出口晴夫、原田覚の7委員が賛成。残り6委員が現状維持に賛成だった。

 討論では削減派の丸山、宮﨑、玉井の3委員が「区民の中では圧倒的に削減すべきという声が多い」「他の町村は10~12でやっている。削減しても議員個々がいま以上に頑張ればいい」「議会は民意を反映させることが大事」など。現状維持派は真造、池田の2委員が「削減すれば政策提案や行政監視能力の低下につながる」「削減すべきという声が聞こえてこない」などと述べた。

 削減人数は2減案が賛成多数で決まった。17日の本会議での条例改正案は天野委員長の発議で提出され、削減に賛成した原田議長を除く13人で採決。現時点では委員会と同様に僅差のまま可決されるとみられている。今後、委員会は報酬と政務活動費についても継続して話し合っていく。

 同町では合併前の旧南部町と旧南部川村の議会定数がともに14の合わせて28だったが、2004年10月の合併時には16に削減。さらに08年10月の選挙から2減らして現行の14。今回で合併時から3度目の削減となる。

 県内の議会でもここ数年、白浜町や田辺市などで削減の動きがあり、今月上旬にはすさみ町議会も定数10から9の削減案を決定したばかり。日高地方の議会定数は御坊、由良、印南、みなべ以外だと、美浜町10、日高町11、日高川町12。