表彰式で山中さん㊨と妻奈美さん

 先進的で優れた農業者をたたえる第24回全国果樹技術・経営コンクールの入賞者が決まり、由良町畑のJA紀州理事山中孝次さん(67)が日本園芸農業共同組合連合会会長賞を受賞した。

 全国農業協同組合中央会など全国の農業関連5団体が主催するコンクールで、果樹農業で困難な条件を克服しつつ、独自の創意工夫や最新の知見の活用などによって高い水準の技術・経営を達成した優れた農業者を表彰している。

 山中さんは、高校を卒業した1973年、柑橘と水田の複合経営農家として就農。その後ゆら早生を主力品種とした柑橘専業農家に経営転換し、樹上で完熟させる「さつき八朔」なども生産している。地域では、スプリンクラー施設普及に尽力し、2006年から14年までは果樹部会長を務め高糖度のブランド「ゆらっ子」を振興。技術面では、透湿性マルチ敷設で水分調整し、糖度の向上など高品質な果実生産、作業性を考慮した園地の整備や虫害・獣害対策にも取り組んでいる。

 山中さんは先月、東京で行われた表彰式に妻の奈美さんと出席。受賞には「関係組織の皆さんのご助力によるもので、とてもありがたいです。今後とも地域農業の存続のため、協力して後継者の確保を重点に取り組んいきたい」と話していた。