昨年1年間の県内刑法犯認知件数(暫定値)は、3438件(前年比128件増)で20年ぶりに増加。コロナ対策の緩和も一因とみられている。人口1000人当たりの認知件数で表される犯罪率は全国で悪い方から28番目。近畿では大阪がワースト1位、兵庫が2位と続き、滋賀が11位、京都が20位、奈良が21位と、和歌山は一番低くなっている。

 御坊署管内では190件で前年と比べて5件の微増。最も多かった罪種・手口は万引きの31件で、次いで器物損壊が25件、自転車盗が13件、傷害11件、暴行が9件で続いている。特殊詐欺被害は2件で金額は約160万円。犯罪率はワースト順で日高町が6位、御坊市が7位、由良町が10位、印南町が16位、美浜町が25位、日高川町が26位となっている。なくなるどころか増える犯罪。被害に遭わないために何ができるだろうか。

 「おはよう」。出勤前、小学生と朝のあいさつを交わすことがある。古くからの近所付き合い。お互い会えばあいさつをし、声をかける。地域に知らない人がいれば、すぐにわかるようになっている習慣。これは無意識のうちに行われている防犯活動といえる。しかし、近所付き合いといえば、田舎にだけ残るイメージ。皆さんが住むまちの近所ではどうだろうか。

 昔と比べ、日高地方も核家族化や少子化が進展。生活様式も変わり、古くから培われてきた近所付き合いという習慣が少なからず薄れつつある。全国で凶悪な犯罪が発生するなか、個人の防犯意識はもちろん、地域の連帯感が犯罪抑止機能の向上につながっている部分があると思う。わずらわしさもあるだろうが、近所付き合いを大切に、犯罪の減少を願う。(笑)