県警は、2022年中の県内特殊詐欺被害状況をまとめた。認知件数は前年より43件増えて102件。被害額は約8200万円増えて1億7300万円。御坊署管内も2件、約160万円の被害があった。県内では今年1月だけで被害額が1億2600万円。すでに昨年1年間の7割に達しており、注意を呼びかけている。
昨年1年間の県内特殊詐欺被害は、手口別でオレオレ詐欺が18件(12件増)で約5000万円(約3100万円増)、預貯金詐欺が25件(24件増)で約3200万円(約3000万円増)、架空請求詐欺が41件(19件増)で約7500万円(約4200万円増)、還付金詐欺が10件(18件減)で約700万円(約1400万円減)、キャッシュカード詐欺盗が8件(7件増)で約700万円(約500万円増)。被害者は男性が25人、女性が77人だった。
被害者の年齢構成は19歳以下と20代が各1人、30代2人、40代7人、50代5人、60代24人、70代22人、80代以上40人。高齢者の被害が目立っている。主な金銭交付方法は振り込みが28件で最多。以下はキャッシュカード手渡しが25件、電子マネー19件、現金の手渡しが18件となった。
県警は今月15日、御坊市出身のヤマサキセイヤさんがメンバーの5人組ロックバンド、キュウソネコカミに特殊詐欺の被害防止広報大使を委嘱。被害が増える一方、詐欺に加わった若い世代の逮捕も相次いでおり、同バンドの大使起用で被害防止とともに、若い世代に犯罪に加担しないように呼びかけていく狙いがあるという。
また、24時間対応で被害防止専用の無料電話「ちょっと確認電話」(0120―508―878=これは わなや)、詐欺電話の内容や注意をはじめ、防犯、子どもの安全、交通関係の情報、警察からのお知らせをタイムリー、ピンポイントに提供する電子メール配信サービス「きしゅう君の防犯メール」の利用を啓発。御坊署は「おかしな電話はすぐに切る。『ちょっとお客さんが来た』『家族が帰ってきた』など、普段から電話を切る口実も考えておいてください。そして誰かに相談してください」としている。