白樫君の作品「海の表情」

 第34回読書感想画中央コンクール県審査の自由図書の部で、紀央館高校3年の白樫康平君の作品が最優秀賞を受賞し、中央コンクールに進む。ほか、紀央館から1人が優秀賞、紀央館1人、日高1人の2人が優良賞に選ばれた。

 高校生を対象とした本を読んだ感想を絵画で表現するコンクールで、今年の県審査には指定図書、自由図書合わせて10校469作品の応募があった。指定図書、自由図書からそれぞれ最優秀賞、優秀賞、優良賞を2点ずつ選び、最優秀賞の4点は中央コンクールへ進む。

 白樫君は上間陽子の「海をあげる」を読み、感想画はA3の用紙にアクリル絵の具やパステルで仕上げた作品「海の表情」。「海をあげる」は大学で教鞭を執りながら幼い娘と沖縄に暮らす著者が、性暴力や基地問題など理不尽な暴力に脅かされて苦しむ沖縄の人々の思いを記録したエッセイ集。絵画ではタイトルの「海をあげる」になぞらえて、両手で作った小さな海を次の世代へ渡す様子を大きく描き、背後の空は沖縄の人々の苦しむ思いを赤い色で表現し、米軍基地問題を象徴する輸送機オスプレイなども加えた。

 「何気に取った本だったので内容に驚きましたが、沖縄の現状など自分の知らない多くのことを知ることができた」と話し、最優秀賞受賞に「選ばれると思っていなかったので、驚きました」と喜んでいる。