家庭教育って知っていますか。家族のふれあいを通して、基本的な生活習慣や人に対する信頼感、思いやり、マナー、倫理観、自制心や自立心などを養い、子どもが「生きる力」を付けるすべての教育の出発点。核家族化や少子化が進み、地域の人間関係も希薄になって家庭が孤立。学力・経済などの格差や親世代と子ども世代の価値観の接近などもあり、家庭教育力が低下しているという。
このため、地域や学校、行政が連携し、家庭教育力の向上をサポートしようと全国的に取り組まれている。和歌山県でも支援チームの設置を推進しており、県教育委員会が訪問型家庭教育支援事業の専門講座を開催している。先日取材したのは第3回の講座で、奈良学園大学人間教育学部特任教授の善野八千子さんが講師だった。講演の中で特に印象的だったのが、「保護者には、周りの人に助けてと言える力『受援力』を付けてほしい。親として苦しい生活を助けてと言うことは恥ずかしいことじゃない。できないことを助けてもらい、できるようになれば次は誰かを助けてあげればいい」という話。
家庭の教育力の低下は、児童虐待や養育放棄、子どもの貧困や不登校などの問題をはらんでいることがある。我が子を殺してしまった親が「子どもにどう接していいか分からなかった」と話す報道もあった。保護者と信頼関係で結ばれた支援員が訪問するなど関係機関が連携した支援体制が充実すれば、これらの問題の未然防止や早期の発見・対応、再発防止につながっていく。現状は、先進的に活動していたり、まだ動き出していなかったりと、自治体によって大きな差がある。1日でも早く、どこで暮らしても安心して「助けて」と言える環境になってくれれば。(陽)


