5年ほど前にこの小欄で空飛ぶクルマがほしいと書いたが、いよいよ夢物語りではなくなってきた。2025年の大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会は空飛ぶクルマを万博会場近辺で実用化するよう運航事業者を公募。大阪府も離着陸場を整備する事業者に補助金を出すなどで推進に前向き。兵庫県でも尼崎市に離着陸場を整備する検討に入ったとし、万博会場からの往復飛行を狙っている。

 そんな中、岸本周平知事が県内での空飛ぶクルマの実用化を目指す考えを表明したことは、頼もしい限り。山間部の多い和歌山では車での移動にも何かと時間がかかり、直線距離で飛行できる空飛ぶクルマなら大幅な時間短縮につながる。知事も言っていたが、ドクターヘリのように救急患者を搬送しなければならないときも役立つ。また、複数が乗車できるような空飛ぶクルマなら、観光面でも大いに活用可能。空から自然あふれる和歌山の景色を楽しむだけでも十分、観光になると思うが、移動時間が短くなるので例えば紀三井寺、道成寺、熊野本宮大社巡りなど、県内を縦断または横断するような日帰りの新たなツアーを企画することもできる。筆者ら新聞記者にとっても現場までの移動で結構な時間を取られるが、それが短縮され効率アップ。事件、事故などの現場にも急いで駆け付けることができ、よりホットなニュースを提供できるようになる。

 前述のように和歌山だけでなく、他府県も空飛ぶクルマの実用化には必死。いい意味で競争しながら、一日も早い実現に期待するとともに、クルマが浮き上がるのと同じく、県勢の浮揚にもつながればと思う。(吉)