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1月のテーマは、今年のえと「ウサギ」。ウサギの出てくる代表的なファンタジーをご紹介します。
「不思議の国のアリス」(L・キャロル著、矢川澄子訳、新潮文庫)
あまりにも有名なこの作品は、いろんな出版社から多彩な訳が出ていますが、ここでは新潮文庫版を紹介。著者が昼下がりのボートの上でアリス・リデルら3人の少女たちを前に、不思議の国の話を語って聴かせているような文体となっています。
アリスが白ウサギに導かれて「不思議の国」へ入っていく冒頭、「となりのトトロ」でメイが小トトロを追いかけるシーンを彷彿させます。
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そのときなんだ、ふいにピンクの目をした白ウサギが一ぴき、すぐそばを通りすぎていった。それだけなら、べつにどうってこともないやね。またそのウサギが、「たいへんだ、たいへんだ、遅刻しそうだ!」ってつぶやくのがきこえたって、アリスはべつにふしぎだとも思わなかった。でもね、そのウサギがチョッキのポケットからほんとに時計をとりだして、時刻をたしかめて、またせっせとかけだしたときには、さすがのアリスも思わずとびあがったよ。(略)アリスはウサギのあとを追ってかけだし、原っぱをつっきると、ちょうどウサギが生け垣の下の大きな巣穴へピョンととびこんだのが目にはいった。


