岸田首相が今春にも新型コロナの分類を5類に引き下げる方針を表明した。5類になればインフルエンザと同じ扱いとなり、行動制限は大きく緩和され、この3年間のコロナ禍で冷え切った地域経済も、ようやく本格的に動けるようになり、まさにウィズコロナ、アフターコロナの時代に入っていく。

 身近な生活で考えると、マスク着用の問題がある。5類になれば屋内でも基本的にマスクが必要なくなる見通しで、これまで「人の表情が分かりづらい」「息苦しい」など、マスクが苦手な人にとっては歓迎。半面、「まだ感染の恐れがある」「マスク生活に慣れていまさら外したくない」など、マスクを手放したくない人の声も聞く。筆者は完全にマスク着用派。というのも、なぜか人の風邪をもらいやすい体質らしく、コロナ以前からマスクを愛用していた。また、記者という仕事柄、いろんな場所に行っていろんな人と会うため、感染するリスクが高く、逆に人にうつしてしまう恐れもあり、そんなことを考えるとマスクは外しにくい。

 もう一つ気になるのはコロナの医療費の問題。これまでは公費でまかなわれたが、5類になれば通常は自己負担となる。政府は公費負担を当面維持し、段階的に廃止する方針ということで、感染者数がまだ多い中、この辺はしっかりと政府に面倒を見ていただきたい。

 いずれにしても、コロナが5類に引き下げられたからといって感染力が弱まるわけではなく、今後も一定の割合で高齢者らの死亡も懸念される。マスクをする、しないは自由だが、咳エチケットや節度ある行動など、引き続き感染予防に対する高い意識は持ち続けたい。(吉)