先日まで、大阪湾の淀川河口付近に現れたクジラのニュースをよく見た。体長約8㍍のマッコウクジラで、9日の朝、水深2㍍の浅瀬にいるのを発見された。監視を続けていた大阪海上保安監部によると、11日の夕方以降、尾びれを動かしたり潮を吹いたりする様子が確認できなくなり、衰弱が心配されていたが、13日に死んでいるのが確認された。

 連日の報道で、2002年8月に多摩川に現れたアゴヒゲアザラシ「タマちゃん」のように人気者になると思ったが死んでしまい残念。なぜ淀川に迷い込んだかについては、えさを追いかけてきたとか、体調不良で泳ぐ力が弱まり潮流に流されたなどと専門家らが話していたが、「大地震の前兆では」という話題もあった。

 2011年2月にニュージーランドで発生したカンタベリー地震の2日前に、スチュアート島にゴンドウクジラ107頭が座礁。日本でも同年に起きた東日本大震災の1週間前に、茨城県鹿嶋市の海岸にイルカの一種であるカズハゴンドウ約50頭が打ち上げられ、16年の熊本地震では8日前に、長崎市大籠町の砂浜にザトウクジラが座礁したという。本震前の余震によって海底で起きた大きな振動が、クジラやイルカの超音波の発信能力にダメージを及ぼし、方向感覚などを失って座礁したと指摘されている。

 地震とクジラの座礁の関係は立証されておらず、今回は群れからはぐれた1頭の話なので必要以上に怖がらなくてもいいと思うが、いつ起こるか分からないのが地震。阪神淡路大震災が起こった1月17日も間もなく。これを期にあらためて家具の固定や非常持ち出し品・備蓄品等のチェックなど、自宅でできる対策を確認しておこう。(陽)