9日は成人の日。日高地方でも各地で成人式が行われた。今年度から18歳からが成人となったため「二十歳の成人式」や「二十歳の集い」などに名称が変更され、二十歳を対象にした成人式を引き続き開催する自治体が多い。
式の場は小学校・中学校の学校生活を共に送った仲間たちと、中学卒業から久しぶりに再会する機会でもある。中学を卒業し5年が経過しての再会。大人からするとたった5年間かもしれないが、15歳から二十歳までの5年間は非常に大きい。外見の変化だけでなく考え方や心の変化。取り巻く環境が目まぐるしく変わるなかで、人生の礎となるものが形成される時期でもある。
ある自治体では、中学校時代の思い出の写真をスライドショーで振り返る催しも行われた。彼らが中学時代を過ごしたのは2018年までで、コロナ禍が始まる約2年前。写真には当然、マスクなどもせず仲間と肩を組んだり寄り添ったりする姿が写されていた。しかし、彼らが高校生になるとコロナが流行り、次第に行動に制限がかかっていくわけで、思いっきり青春を謳歌できたわけではないのだろうと推測する。
昨年、夏の甲子園で優勝した仙台育英高校監督の「青春ってとても密なので」という言葉が話題となった。仲間と笑い合い、時にぶつかり合いながら、他人と深く関わっていくことを覚えていくのが青春。15歳から二十歳まで、その青春の5年間は人生の中でいかに尊い期間であるか。
コロナ禍という制約された背景のなかで、彼らが得たものを社会で発揮してほしいし、今後の人生でも思いっきり青春を謳歌し続けてほしいと願う。(鞘)