4日から仕事始めの人も多かっただろう。正月休みで英気を養い、また新しいスタートを切られただろうか。コロナ禍で迎える3回目の三が日、第8波真っただ中を感じさせる感染者数だが、人の動きはコロナ前に戻りつつあるようで、日高地方の初詣客も以前のにぎわいを取り戻す人出だった。感染に気を付けながらも経済活動を元に戻す、ようやくウィズコロナが進んできたといえる。明るい兆しだと喜ぶ半面、医療現場では今も大変な勤務を強いられている医療従事者の話も聞こえてくる。大変な思いをしている人にこそ手厚い支援が行き届く、そして三が日のような活気あふれる1年になることを心から願う。


 筆者は元日、みなべ町鹿島神社で行われた南部高校書道部の大書初めが初仕事だった。例年よりも緩んだとはいえ身を縮める寒さの中、はかま姿で大きな筆を書き進める部員の凛とした姿に、カメラ越しでも身が引き締まる思いだった。墨のにおいが心地よく、現場でしか味わえない緊張感に、初心に帰らせてもらった。揮ごうした文字は今年の干支「癸卯」、「おそれず挑戦」、「飛躍」、「雲外蒼天」の4枚。「失敗を恐れず何事にも挑戦したい」「うさぎのように飛躍の年にしたい」。生徒たちの思いに大いに共感した。


 雲外蒼天は、困難を乗り越え、努力して克服すれば必ずいいことが待っているという意味。書道部の部長の言葉を借りれば「コロナ禍のこんな世の中でも、乗り越えれば必ず明るい未来が待っている」。新年早々、高校生に勇気をもらったことで、いいスタートを切ることができた。今年もいろんな困難に直面するだろうが、くじけず前に進む1年にしようではないか。(片)