御坊市、美浜町、日高川町の1市2町、市介護事業者連絡協議会などで構成する御坊・日高圏域介護人材確保推進プロジェクトチーム会議が30日、御坊市役所で開かれ、人材確保が深刻な課題となっている介護施設の対応について意見を交わした。

 介護事業所の人材不足は全国的な傾向で、高齢化で介護を必要とする高齢者が増える一方、少子化で働き手が減少していることなどが要因だという。日高地方も例外ではなく、ヘルパーやケアマネジャーなどの確保が難しくなっている。

 会合には13人(うちオンライン2人)が参加。プロジェクトチーム会議が9月から11月にかけ、みなべ町を除く日高地方1市5町の事業所と従業員を対象に行ったアンケート調査を報告した。51事業所、職員307人から回答があり、職員の不足状況については6割以上の事業所が「訪問介護、介護職員が不足している」と回答し、介護人材確保策としては「休暇を取りやすい職場環境の充実」(72・5%)、「事業所内のコミュニケーションを大切にする」(66・7%)などを挙げた。「職員の悩み、不安、不満」に関する設問では「賃金」(40・7%)がトップ、次いで「人事評価・処遇のあり方」(27・4%)、「勤務体制」(27・0%)など。「これからの人材確保には」に対しては、「給与面の改善」(87・6%)が最も多く、ほか「介護職のイメージアップ」(58・3%)、「子どもを預けて働ける環境」(38・1%)などだった。

 意見交換では「資格の取得に向けて勉強ができるような環境をつくることで離職が少なくなるのでは」「相談窓口が設置されている事業所もあるが、それを職員が気兼ねなく利用できる環境が必要だと思う」「仕事のやりがいや魅力を発信することが大切」などの声が上がった。

 今年度内には事業所の管理職らを招いて意見を交換する。