水際対策が緩和され1カ月が経ち、外国人観光客(インバウンド)が復活の兆しを見せている。日本政府観光局が16日に発表した10月の訪日外国人客数は49万8600人で、前年同月の22倍を記録。円安の影響で爆買いツアーも再び勢いを増し、今後ますます外国人観光客が増加しそうだ。
20日、印南町で海外の観光事業者を対象にしたモニターツアーが実施された。会場は印南の奥座敷、真妻。参加者は地区内をサイクリングで楽しみ、真妻わさびの田に行き収穫を体験。その後同地区の寺へ移動し、東京の高級寿司店店主による寿司懐石で自ら採ったわさびを堪能した。
その取材でマグロを提供した那智勝浦町の仲買人と話をする機会があったのだが、県内の有名観光地である那智勝浦ではすでに外国人観光客をたくさん見かけるようになったという。県内にもインバウンド復活の波が来ているのかと思ったと同時に、取材したツアーが海外に紹介されれば、これを機に県内の有名観光地以外にも人が訪れるようになるのかなとも思った。実際、ツアーには香港の衛星放送局「フェニックステレビ」が取材に入っていて、ツアーの様子はすぐに配信されるとのこと。これからはコロナ前に日本をよく訪れていた人たちが、日本の知られざる部分も知りたいとさらにコアな場所を訪れるようになるかもしれない。
自分たちが何気なく過ごしている田舎の風景も、異国の人にとっては魅力の宝庫なのだろう。そこから地元の良さを再発見できるきっかけにもなりうる。インバウンドの復活でいい相乗効果が生まれることを期待したい。(鞘)