籔内町長から委嘱状を受け取る山口さん

 美浜町の地域おこし協力隊員に、南米ボリビア生まれの日系3世、山口剛(ごう)さん(32)が今月16日付で着任し、22日に籔内美和子町長から委嘱状が手渡された。任期は3年。

 祖父母が日本からボリビアに移民。山口さんは9歳まで生活し、1年間日本で過ごした後、10歳から14歳まではアルゼンチンで中学校に通った。高校進学と同時に日本へ渡り、堺市のダンスで有名な登美丘高校から和歌山大学に進学。システム工学部環境システム学科と同大学院で集落の空き家問題と防災を研究し、日高町の事業にも携わった経験がある。

 卒業後は大阪の都市で空洞化が問題となっていた空きマンションを民泊として活用するベンチャー企業で6年間働き、今年4月から半年間は大学の同級生らと法人化した会社で仕事をしていたが、結婚を機に印南町出身の妻の実家の近くで働きたいとの思いを強く持ち、美浜町の地域おこし協力隊員に応募した。

 和田東の空き家を借りて移住しており、今後は防災まちづくりみらい課の仕事を勉強した上でまちづくりに関する業務を展開していく。委嘱式で籔内町長から「地域の課題を掘り起こし、活性化に貢献してくれることを大いに期待しています」と激励を受けた。山口さんは「空き家や空き別荘を利活用した民泊や観光事業など、持っているノウハウと経験を生かして、地域の活性化に取り組みたい。3年後には定住して生活できるように頑張りたい」と意気込んだ。