「一体感のないチームがいい成績を上げることはできない」とは箱根駅伝の強豪、青山学院の原晋監督の言葉。駅伝は一見、個々の能力がものをいうスポーツのように見えるが、そうではない。絶対的エースが1人いても勝てない、総合力で勝負するスポーツ。総合力は一人ひとりの走力が大事なのはもちろんだが、チームのために1秒でもタイムを削ってやる、次の走者に絶対にたすきをつなぐ、そんな仲間を思う気持ちの強さともいえる。一体感が自分を強くするし、チームの総合力も強くする。もちろん駅伝に限ったことではなく、団体スポーツに最も大事なことだ。

 先日開催された県中学校駅伝競走大会。男子の由良が3位、松洋が5位入賞し、見事近畿大会出場を決めた。取材を通して両チームとも一体感が非常に感じられた。由良中は一人ひとりが非常に明るかったのが印象的。陸上部は1人、柔道、テニス、サッカーと他競技からの選抜チームだったが、練習を通じて互いに高め合ったのだろうことが容易に想像できるほどのチームワークを感じた。松洋も同様で、レース後に見せた仲間と喜びを分かち合う姿はまぶしかった。

 個人的に感動的だったのは、由良のメンバーの主将を思う気持ちの強さ。主将は都合で本番を走ることができなかった。本来なら準エースの実力を持つ主将を何とか近畿に連れて行ってあげたい、その気持ちの強さが表れた気迫のレースだったように思う。メンバーも「キャプテンを近畿に連れていきたい一心だった」と振り返り、写真撮影では主将を中心に呼び寄せたことがほほえましく、チームの結束力を感じた。駅伝はおもしろい。(片)