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10月のテーマは「文化祭」。氷室冴子の初期の名シリーズをご紹介します。
「クララ白書」(氷室冴子著、集英社コバルト文庫)
コバルト文庫の代表的な作家で、少女小説家の枠を超えて活躍した著者。本書は女子寮クララ舎を舞台に、愛すべき主人公しのぶの学校生活を楽しく描きます。
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文化祭四日前、とうとう白路さんが興奮のあまり卒倒した。私と高城さんの抱擁場面がまだ気に入らず、ああやってこうやってと手取り足取り指導していると、見学者がきゃあきゃあ騒ぎ出し、苛立った白路さんは、うるさーい!と叫びそのままずずず、と崩れ落ちたのだ。(略)夢見は、涙をそっとすすり上げるシーンで強くすすり上げ過ぎて鼻血を出し、あやうく衣装に汚点をつけるところだった。(略)この興奮は、夜になるに従って収まるどころかふくれ上がった。なにしろ明日は私とマッキーの舞台なのである。(略)
「出てこないっ! 次は何だっけ。セリフが出てこないよ。うわーっ、正夢だっ!」「私のオリジナルのラブストーリー聞くんじゃなかったの? ねえったら」「うるさいって菊花」
私達は熱に浮かされたように自分勝手にしゃべり続ける。いつになったら眠るものかは、全くのなりゆきまかせだ。


